理念・院長挨拶

理念

医師として一人でも多くの苦しんでいる人の役に立ちたい。
またそういった方の相談窓口となれるような場を提供したい。

院長挨拶

もう20年以上も前のことになりますが、姉の友人でゲイの方が家に遊びにきていたことがありました。当時はLGBTの知識もなく最初に出会ったときに自分の知らない世界を初めて知り、正直びっくりした事を覚えています。

その後、姉との会話の中で、その人の話題を話したりしたことはありましたが、その人が悩んでいるという訳でもないように映ったため、特にそのときは興味を持ったりすることはありませんでした。

ただその経験からそういったタイプの人がいるという記憶がはっきりと心に残りました。また、私は特に作家の三島由紀夫さんが好きなのですが、他にも好きな偉人やアーティストの中に多くのLGBTという分類に属する方々がおり、憧れのような、凄い才能を持つ人が多いのかなという印象を持ち続けていました。

その後、多くの先生方と同じく私も『病気や疾患で苦しんでいる人・悩んでいる人の役に立ちたい』という思いから医師を目指しました。

医学部生時代には将来何科の医者になるべきなのかと考えました。
これは医学部生みなが考えていることです。

私の場合、「どの科に進んだら最も役に立てるのだろうか?」「どういう疾患が苦しいのか?」ということを基準に考えていました。今となっては、どんな科に進んでも役に立てるし、いかなる疾患も苦しいものだとは思います。ただ当時はそのような考えに至らず、前述のような基準をもとに考えていました。

あるとき、ふと思い出したようにLGBTのことを調べました。すると医学部では習わないような事、LGBTの中でも医学的治療を望んでおられる人がいるということ、性転換手術やホルモン治療などが行われているということを知りました。用語には議論がありますが、GIDという分類があることを知りました。

すると、日本ではあまり積極的な治療は行われておらず、手術を希望される方は危険を承知で海外にまで手術を受けに行くという事実を知りました。このような現状を知るに連れて、また、実際にタイに行き手術に立ち会ったりする中で、当事者さん達は切実に日本での治療ができる環境を望んでいるという事を知りました。

性的な問題はカミングアウトの難しさもあって、当事者さんは、その悩みを家族にも話せないということが少なくありません。そのような意味で、疾患の難しさに加えて社会での生きにくさという問題も加わり、かつ一生の問題でもあるという点で、とても大きな悩みにつながる状態であると認識しました。

そのような経緯でこの分野で活躍できる医師になりたいと思いました。

正直なお話をすると、この分野の医師になりたいと先輩医師たちに相談したところ、多くの先生にやめておけと嗜められたりしました。しかし、現状を知ってしまった以上、逆に自分がやらなければ誰がやるんだという気持ちが強くなったことを覚えています。

そのような経緯で、この分野に大きな関わりを持つ産婦人科医として働きながら、2014年に恵比寿TGクリニックを立ち上げました。

立ち上げた2014年以降、LGBTを取り巻く状況は大きく変化し、この用語自体が広辞苑にも収載されるようになり社会的認知が広まってきて嬉しく思います。

また通院患者さんに、このクリニックの存在自体を喜んで頂けることができて本当に嬉しく思います。

これからもトランスジェンダーの方々に必要な医療を提供できるように日々の研鑽を忘れず頑張っていきます。

恵比寿TGクリニック


追記 先日、以前通院されていた川崎様が本を出版されました。 「ちんちんのないお父さん」というタイトルで恵比寿TGクリニックのことも書かれています。是非読んでみてください。